「たまログ2013年10月号」(文責 中舘達司)

先月は、再婚でパートナーに前婚の子どもがいる場合や事実婚である場合、遺言で住宅の権利をすべて譲り受けるとなっても、前婚の子どもや他の親族にも相続権利が発生する(詳細はホームページで)注意を促しました。
これは、遺言等でもらえる遺産がゼロと指定されても、最低限もらえる額=「遺留分」という権利です。遺留分は兄弟姉妹以外の相続人がもらえます。遺贈された人に対して「遺留分を戻して」と意思表示をすればOKです(遺留分減殺請求ができます)。ただし、知った日から1年以内に行使しなかった場合や、相続開始から10年を経過すると消滅するので注意が必要です。
対処策でわかりやすいのが生命保険の例。自分を受取人として自分で生命保険を払った場合、民法上、保険金はあなたの固有の財産となり、遺留分が発生します。また、亡くなった人が掛け金を出した保険金は相続税の対象となるので、税が気になる人は自身のお金を使うか、全額生前贈与を受け保険を掛けてもらう等が得策です。
このような資金を遺留分権者に渡して住宅を単独所有にする方法がより現実的でしょう。
また、保険法43条の通り、前妻や前婚の子どもを受取人にしていた保険を、自分が受け取れるように夫の遺言で変更することが可能です。ただし給付前に、保険会社に連絡する必要があります。遺言に記載あれば、すぐ保険会社に連絡しましょう。